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サンパウロで生まれバンコクで育った息子と、オヤジの「対話」(ダイアログ)を通じて世相を読む挑戦!

by dialog25501122
 
2015年東京六大学野球春季リーグ応援戦総括(その4・完)
 春季の総括を終えないうちに、「六旗の下に」と「全日本大学野球選手権での早稲田の優勝」という大きなイベントがあった。二つのイベントについて書く前に、春季の総括を終えておきたい。

 今季の六大学の応援団はどこも気合十分でテクのスキルが高く、甲乙をつけ難かった。秋季は各校とも夏の合宿などを経てさらにテクに磨きがかかるだろうから、いまから楽しみだ。ただ、土日の全試合の応援を見ることができた今季は好天にも恵まれまさに奇跡で、残念ながら秋季のカレンダーを繰ってみると、すでに行けない日がかなりある。今季の予定された全試合制覇はおそらく、最初で最後だと思う。

 神宮球場で、ただひたすら脇目もふらず母校の応援に献身的な努力をする若者を見て、心を突き動かされ、新たなエネルギーをもらう。僕が春と秋に神宮に通う理由は、これに尽きる。野球より応援、である。だから、ゲームの展開や個々の選手についてくわしく解説してくれる人の話は実にありがたい。そのまま、すんなりインプットされる。

 一方、応援についていえば、リーダー部だけでなく吹奏楽部やチアが好きな人もいるし、三つの部を総合して応援を楽しむ人もいる。僕は、リーダー部だけに偏っているが、吹奏楽部もチアも応援の大事なパートを担っていることは理解しているつもりだ。ただ、「質実剛健」を一番体現しているのはやはりリーダー部であり、僕の場合はどうしてもリーダーたちばかりに目が向いてしまう。

 リーダーたちが舞うテクのかたちは、すなわち心だと思う。美しいものは断然、美しい。彼らは粗剛に見えるが気品がある。とくに下級生1年のときからずっと見ていると、学年が上がり、幹部になると間違いなく見違える。例外的に1年のときから大器を思わせる人もいるが、不器用でも愚直に練習に励んできた人は必ず変貌する。彼らはいったん勢いに乗ると、悍馬(かんば)のようになる。その変化がまさに驚きであり、人間として内面的な成長をも感じさせるのだ。剛胆な者もいれば繊細な者もいる。いろいろな人材がそろって初めて強力なリーダー部になれる。彼らの無心な動きは、見ている僕たちの心を動かし、熱くする。

 僕はリーダーたちのたゆまぬ研さんの姿をラグビーや山登りにたとえることがあるが、一面でボート競技にも似ていると思う。僕の友人は学生時代、シングルスカルで世界選手権に出場した経験を持つ文武両道のオヤジだが、ダブルスカルやフォア、エイトはシングルよりずっと難しいという。息を合わせるのがとにかく大変だそうだ。エイトになれば漕ぎ手が8人、コックス(舵手)1人という大所帯だから、いまのリーダー部でいえば、早稲田の幹部の人数がそれに1人足りないだけで、慶応のリーダー志望1年の人数はそれを上回る大所帯。息を合わせるのは至難の技だが、息が合うと限りなく美しい。今年の「六旗の下に」で、舞台狭しと迫力満点のテクを披露した今季の早稲田の幹部たちの姿がまさにそれである。

 六大学の応援部(団)の若人たち。春季もたくさんエネルギーをもらい、背中を押してもらいました。ありがとう。秋季も心身ともにさらに成長した姿を心から楽しみにしています。
by dialog25501122 | 2015-06-15 14:09
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