【オヤジ独白】
東京六大学野球の楽しみ方は、野球そのものよりも、各大学の応援部の応援風景にある、と書いたが、各大学の学生応援席にはそれぞれの特徴があって、これも興味深い。
僕が独自にランキングした大学別に見てみよう。
①東大
学生応援席への一番乗りは、いつも同じ女性である。おおよそ野球の応援とは無縁のようなおとなしそうで清楚な感じの女性がなぜか、いつも一番乗り。マイメガホンを持っているし、空模様があやしくなればすぐに雨合羽を出すなど神宮球場での応援はすっかり慣れっこの様子である。
応援席全体に目を転じると、やはり常連が多い。毎回、わざわざ大阪から駆けつける猛者もいる。「この列の人たちにコーラを差し上げて」と言って、コーラ売りのお姉さんに千円札をいっぱいあげて、見ず知らずの人も含めて同じ東大ファンの人たちにコーラを配るタチマチのかっぷくのいいおじちゃんもいる。
応援はやはり、リーダー部の魂が乗り移ったかのように、六大学の中ではやはり一番元気がいい。乗りもいい。リーダー部との一体感が感じられる。
だから、毎回試合で負けても、この学生応援席に陣取っている人たちは決してへこたれない。「よくやった~」「また、応援にくるぞお!!」
選手に向かって送る声援も温かい。だから、選手も久々の1勝を上げようといま、必死なのだ。